堀場 雅夫
堀場製作所
最高顧問
世界シェアが8割を超える自動車排ガス計測装置のほか、医用・半導体など幅広い分野で分析・計測機器を手掛ける堀場製作所の創業者。京都市で生まれ、少年時代は科学者を志した。京都帝国大学(現京都大学)在学中に堀場無線研究所を創業。学生ベンチャーの草分けで、国産初のガラス電極式のpHメーターの開発に成功した。1953年に堀場製作所を設立、同社は今年、60周年を迎えた。
人生で一番長い時間を過ごす会社生活を楽しくすれば、人生も豊かになるというのが持論。その考えは「おもしろおかしく」との社是の原点となっている。78年に会長となり、2005年には取締役を退任して最高顧問に就く。06年には分析化学の世界で最も権威のある「ピッツコン・ヘリテージ・アワード」を欧米人以外で初めて受賞。27人目の殿堂入りを果たした。
堀場氏が今、特に力を注ぐのが若い研究者や起業家らの育成活動だ。自身の名を冠した「堀場雅夫賞」を創設し、分析・計測分野で独創的な研究に取り組む国内外の若手研究者を表彰している。全国イノベーション推進機関ネットワーク会長や京都市ベンチャー企業目利き委員会の委員長などに就き、地域産業やベンチャー企業の振興にも熱心に取り組んでいる。
「イヤならやめろ!」「やるだけやってみろ!」など、著書は多数ある。88歳。
(2013年9月17日/日本経済新聞 朝刊より)
略歴
大正13年12月1日、京都市生まれ。
昭和20年、京都大学理学部在学中に堀場無線研究所を創業。学生ベンチャーの草分けと呼ばれる。国産初のガラス電極式pHメーターの開発に成功し、昭和28年、堀場製作所を設立する。社員に博士号の取得を推奨し、自身も昭和36年に医学博士号を取得。「おもしろ おかしく」を社是として、全社一丸となって、ベンチャービジネスのモデルともいえる企業を作りあげた。以後、同社は分析機器のトップメーカーとして、常に技術開発で業界をリードしている。昭和53年に会長、平成17年に取締役を退任し最高顧問に就任。
現在、全国イノベーション推進機関ネットワーク会長、京都市ベンチャー企業目利き委員会委員長などを務め、起業家の育成にも力を注いでいる。
また、平成18年には、分析化学の世界で最も権威ある「ピッツコン・ヘリテージ・アワード」を欧米人以外で初めて受賞し、併せて27人目の殿堂入りを果たした。
著書に『イヤならやめろ!』(日本経済新聞出版社)『仕事ができる人 できない人』(三笠書房)『人の話なんか聞くな!』(ダイヤモンド社)『その他大勢から抜け出す仕事術』(三笠書房)『やるだけやってみろ!』(日本経済新聞出版社)『もっとわがままになれ!』(ダイヤモンド社)『おもしろおかしく生きろ!』(PHP研究所)など多数がある。