デイビッド・ライス
ストラタシス
CEO
3D(3次元)の設計データをもとに印刷するように立体物を造形する「3Dプリンター」。その世界最大手を率いる。
産業用プリンターの畑をほぼ一貫して歩んできた。2012年にストラタシスと合併したイスラエルの同業、オブジェットで09年から最高経営責任者(CEO)を務めた手腕を買われ、新会社のかじ取りを任された。
3Dプリンターは金型を使わずに複雑な構造の立体物を作ることができ、開発の期間短縮やコスト削減につながるとして注目を集めている。米調査会社ウォーラーズ・アソシエイツは、12年の世界市場規模は11年比29%増の22億ドル、21年には108億ドルに達すると予想する。
力を入れているのが一般消費者向けで、6月にはデザイン性の高いデスクトップ型製品を手がける米メイカーボット・インダストリーズを買収した。
メイカーボットの製品は2000ドル台という手ごろであることに加え、ユーザー同士がネット上で3Dデータを共有できるサイトを運営するなど、独自の取り組みが若いデザイナーなどから絶大な支持を集める。このビジネスモデルとブランド力を、ストラタシスの財務力や国際展開力と組み合わせて成長を加速させる青写真を描く。
イスラエル工科大テクニオンで経済学と経営学を専攻。米デンバー大で経営学修士(MBA)を取得した。52歳。
(2013年9月17日/日本経済新聞 朝刊より)
略歴
1961年2月10日生まれ。
デイビッド・ライスは、2003年よりObjetのディレクターを、その後Objetの最高経営責任者を2009年3月より務めた。また、2012年のObjetとStratasysの合併により、同年12月からStratasysのCEOを務める。
Objet入社以前は、産業用プリンター大手NUR Macroprinters(2008年にHPにより買収)において、3年間、社長兼最高経営責任者を務めた。
また、NUR Macroprinters入社以前は、画像解析ソフト開発企業ImageIDと、大型プリンターメーカーScitex Visionの社長兼最高経営責任者を務めた。
ライスはイスラエル工科大学テクニオンにて経済・経営学の学士号を取得し、デンバー大学にて経営学の修士号(MBA)を取得。