施崇棠
エイスース(華碩電脳、ASUS)
董事長
1952年8月生まれ、64歳。
1993年からASUSの董事長、2007年まではCEOも務めた。董事長として同社のビジョンを描き、企業文化やイノベーション戦略を動かす。施氏の指導のもと、ASUSはマザーボード(主基板)の世界売上高トップ、一般消費者向けノートパソコンの世界売上高第2位に躍進し、世界的な技術リーダーとなった。過去2年間、ASUSはフォーチュン誌の「世界で最も賞賛される企業」の1つに選ばれ、2013年からは3年連続でインターブランドの「世界で最も価値のある台湾のブランド」に選出されている。
施氏のイノベーションに対する情熱と献身はよく知られ、完璧さを徹底的に追求するその姿勢によって、数多くの技術から民生用商品を生んできた。2006年には、モバイルインターネットで幅広く活用できる高品質かつコンパクトで費用効率の高い「ASUS Eee PC」の開発を指揮。このパソコンはモバイルコンピューティング時代幕開けのきっかけとなった。
2008年、施氏はOEM事業(相手先ブランドによる生産)とODM事業(相手先ブランドによる設計・生産)の分割を行う。これはASUSブランドの世界的認知度を高めるうえで非常に重要な戦略的決定だった。2014年には、高級感がありかつ機能性の高いASUSの代表的なスマートフォンシリーズ「ZenFone(ゼンフォン)」の開発と発売の陣頭指揮を執り、わずか2年でASUSは世界有数のスマートフォンブランドへと成長した。
さらに最近、ASUS初の家庭用ロボット「Zenbo」を発表し、世界的なセンセーションを巻き起こした。これは、どの家庭でもロボティック・コンピューティングを可能にするという施氏のビジョンを実現しつつ、業界の次なるパラダイムシフトに向けた技術リーダーへとASUSを変身させるための第一歩である。
施氏は企業で人が最も重要な資産だと信じており、ASUSの成功は同社の献身的な従業員と企業文化によるものと考えている。イノベーションと品質を重視するかねてからの姿勢をさらに強化するために、施氏はブランドの約束「In Search of Incredible (“インクレディブル”の探求)」を始動させた。これは全従業員に対し、あらゆる行動において卓越性を目指して努力するよう促すことによって、ASUSの文化を形作ろうとするものである。
“インクレディブル” の探求ASUSはテクノロジーに情熱を注ぎ、イノベーションを原動力とする企業。最もスムーズかつ楽しいデジタルライフをすべての人に提供することを夢見て、大胆に挑み、懸命に努力する。私たちは、あらゆる行動においてインクレディブルな驚きを生み出すことを目指している。
受賞・表彰歴:- 1990年:台湾青年会議所「Ten Outstanding Young Person Award」
- 1998年:ビジネスウィーク誌「The Stars of Asia」
- 1999年:ビジネスウィーク誌「The Stars of Asia」
- 2006年:中国技術管理学会「Outstanding Technology Management Award」
- 2006年:中国時報グループおよびDHL台湾の「Best Entrepreneur Award」
- 2009年:T3マガジン「Most Influential People in Technology」
- 2009年:ラップトップ・マガジン「Top Five Most Influential People in Mobile)」
- 2010年:ファスト・カンパニー「Most Creative People in Business」
- 2011年:ラップトップ・マガジン「Most Influential People in Mobile)」
- 2011年:フォーブス「Heroes of Philanthropy」
- 2011年:「Pan Wen Yuan Lifetime Achievement Award(潘文淵文教基金会特別功労賞)」
- 2012年:台湾工業技術研究院より受賞者として選出される
- 2015年:遠見・天下文化出版グループ「Global Leadership Award for Distinguished Chinese Business Leader around the World」